A Day in the Life

フィクションの話をしてるんじゃない。現実の話をしているんだ。

日にち薬

TSUTAYAに行ってきた。目的の商品はあったので用件はすぐに済んだが、なんとなく特撮作品の棚を見て回っているとドライブの棚を見つけた。
わたしはBlu-rayコレクションを持っているのでそれらに用事はないのだけれど、完結して全巻が揃ったその棚を見て何故か泣きたくなった。
意味がわからなくて自分でも驚いたけれど、たぶん、悲しいことや苦しいことを内包して終わってしまった物語を思ったからだ。悲しみも苦しみもそのまま残っているのだから、何を書いたって読んだってすべてが癒されることはない。少しの慰めにはなるけれど。
それでもやっぱりわたしはドライブが好きだ。どれだけちぐはぐでも、その歪み故にいつまでもわたしの心に傷を残してゆくとしても。
最終回が過ぎて一ヶ月以上経ってもひどいロス状態に苦しんでいたけれど、いつかはなくなると思っていた。楽になるだろうと思う反面、どんな風に好きだったのかも思い出せなくなるのが怖かった。
とんでもない勘違いだった。
これは絶対になくならない。
時間が経てばだんだん小さくなっていくに決まってるけど、なかったことにはならない。そのことにどこか安心している。