A Day in the Life

フィクションの話をしてるんじゃない。現実の話をしているんだ。

世界の余地と星から来るもの(ウルトラマンオーブ本編感想)

旧年中はお世話になりました。ブログのほうははまとめたいことがある時しか更新しませんが、今年もよろしくお願いします。

 

ウルトラマンオーブ・テレビシリーズ本編が終了して約二週間が経過し、スピンオフであるオリジンサーガが2話の配信を開始した。そろそろ本編に対して自分なりにまとめたいと思うのだけど、改まって書こうとすると書けなくて、Twitterでとりとめもなく考えているとポンと出てきたりするから困る。

とりあえず見たことない人にも向けて、ざっとした作品の紹介も含めて書いてみる。

 

テレビシリーズは突然街を襲ってきた魔王獣(怪獣)を、これまた突然現れた光の巨人・ウルトラマンオーブが颯爽と倒すところから始まる。

物語は、怪獣や宇宙人の謎を追いかける調査サークルSSP(SomethingSearchPeople)と、そこに居候として転がり込む風来坊の男・クレナイガイ=ウルトラマンオーブを中心にして展開していく。怪獣や侵略宇宙人に対抗するための防衛隊も存在しているが、その能力は十分ではなく、中心には描かれない。

最初はコメディタッチというか、どこか掴みどころのない雰囲気で(ただし特撮はガチ)、細かい設定は省くけど基本的に一話完結の、怪獣と宇宙人とウルトラマンが戦う「みんなが思ってるウルトラマンのお話」と考えていい。その中で主人公クレナイガイの過去やその宿敵ジャグラスジャグラーとの因縁、SSPのリーダー夢野ナオミとの運命的なつながりを徐々に見せていき、中盤の山場である17話、最終回の25話に結実する……という構成だった。

以上、見たことない人に向けた大雑把な設定紹介ね。ここからめちゃくちゃ内容に触れるし文章に知性がなくなるんで。

 

とにかく主人公のクレナイガイさんがかわいくてかっこよくて最高すぎるんですよ。

銭湯と食べることが大好きなラムネのお兄さんで、ひとんち(SSPオフィス)で平気で居候生活満喫してる風来坊のガイさん。

神様みたいな力を持ってるのに、長い間地球を旅しながら人間たちとただ一緒に生きてきた風来坊のガイさん。

かつて大切なものを守れなくて、本来の力も失っているのに、人間を守るという意志を貫く風来坊のガイさん。

あ、もう無理です。お願いだから本物見てください。すごくかっこよくてぶっきらぼうに振る舞うけれど、ちょっと抜けているところがあってかわいかったりするのずるいんで。

イベントで本物にお会いする機会があって行けるものは行ってるんですけど、本当に本物のガイさんなんですよ。初めて見たのは11月にあった岡崎でのイベントなんですが、テレビからそのまま抜け出してきたのかと思うほどで(いや抜け出してきてるんだけど本物なんだから)会って二日くらい幸せな感じが続きましたもん。ヒーローってすごい。

で、このガイさんと何かと対立する宿敵、ジャグラスジャグラーがまた超いいキャラしてるんですよ。

紳士じみた振る舞いとは裏腹のガイさんへのストーカーじみた執着や、ヒロイン・ナオミに対しての変態的な言動の数々、そのクセかっこいいという魅力的な人物。ガイさんとの生身バトル最高。ガイさんとジャグラーはウルトラとは思えないほど変身前のアクション充実してます。

濃いキャラだらけの平成ライダーの世界に放り込んでも負けないと思います(何の自信だ)。ていうか平成ライダーのそういうキャラが好きな人は見ろください。絶対好きになるから。

この人も本物にお会いする機会があったので行ったのですがやっぱり本物なんですよ(頭の悪い言い方)。ジャグラーなのにサービス精神旺盛だし、なんでここまで厚遇なんですかねウルトラって……。

ガイさんと運命的なつながりを持つヒロイン・ナオミがとにかく強い。

エピソード序盤、「お前は死にたいのか」っていうくらいに危険な場所に飛び込み続けるヒロイン・夢野ナオミ。ガイさんがウルトラマンだから平気だけどお前それ足引っ張る寸前だからな!みたいな行動をとったりもします。

そんなんなので「ウザいヒロイン」一歩手前まで行きそうになるんですが、持ちこたえます。いい感じになるので大丈夫です(個人の感想です)。あくまで普通の人間だから宇宙人が脅してくれば当然恐怖に震えるけれど、最終的にはジャグラーにも屈しない強さを見せるよ!すごいよ!歴代でもトップクラスの最強ヒロインだよ!

あと11話に登場するナオミのママは最高だから見てくれ!

 

本筋以外の個人的に好きなエピソードとか。

ガイさん=ウルトラマンオーブであることが予知夢を見る少女にバレてしまう7話。バレた時のあたふた加減がかわいいラムネのお兄さん。同時にガイさんのつらい過去も垣間見える。袋とじを覗くウルトラマンとか斬新すぎるぞ!

序盤の神回と言われる9話。通称馬場先輩の回。地球侵略を企む組織から派遣された宇宙人が、オーブのニセモノとして振る舞ううちに心境が変化していくエピソード。お話が素敵なのは当然として、この回ほとんど台詞のないガイさんの表情や芝居がとにかく最高です。

見るたびに泣きそうになる21話。どこでも好きなところへ行けばいい。でも、帰る場所があるともっといい。ガイさんが少女に贈った言葉は、異邦人の風来坊として生きるガイさんが見つけた答えなのかもしれない。

宇宙人は実は結構地球に来ているとわかる22話。わたしたちはウルトラマンを特別に見ているけれど、ウルトラマンですら地球にやって来た宇宙人たちの中の一人に過ぎないと気づく。

このエピソードがどこか掴みどころのなかったオーブの世界に輪郭を与えているように思える。地球を守るものも、平和を脅かすものも、星から来ている。誰も何も知らなくても彼らはそこにいる。それは少し怖いことでありつつも、どこか素敵なことのようにも思えてくるのだ。世界には余地がある。まだ知らないことが存在している、という余地が。

 

だらだらと書いてしまったけれど、オーブの魅力ちょっとは伝わっただろうか……。

先日のEXPOのイベントでわたしは本当にオーブが好きなんだなあ、と痛いほど実感してね……。知ってる?好きって気持ちで胸がいっぱいになると人って動けなくなるんだよ(少女漫画みたいなこと言ってるけどこれ割とマジです)。

それくらい好きなことならちゃんと伝えたいし、伝えるには書かないといけないって思ったから書いてみたよ。

 

最後にクレナイガイという主人公に対する自分なりの「答え」を挙げて、締めさせていただきます。オリジンサーガも映画も楽しみにしてます。最高のウルトラマンをありがとうございました。お疲れさんです!