A Day in the Life

フィクションの話をしてるんじゃない。現実の話をしているんだ。

対象外の悲しみ

朝起きたら風邪はほぼ治っていた、というかあれほど止まらなかったくしゃみが出なくなっていた。

そんなわけでお出かけすることができた。

ウルトラマンショップ名古屋店のあるエアポートウォーク名古屋は名古屋空港の近くにある施設で、電車とバスを乗り継いで行かなければならない。全然名古屋にない。

そうまでして行きたかったのは今日はウルトラマンオーブ(バンマイ)とゴモラの撮影と握手会があると知ったからだった。

大きなウルトラマンのオブジェが見えてとてもワクワクしたし、12月1月のイベントスケジュールを見たらオーブオリジンやジャグラーがやって来る予定があって、楽しみだなあ行きたいなあと思った。

そのイベントが大人だけでは入れないと知るまでは。

チラシやホームページを見てもそんな注意書きはどこにもなくて、まさかそんなことを言われるとは夢にも思ってなかった。と同時にヒーローとは本来は子どもたちのためのものであって、関連した施設やイベントはいい年した大人だけでやって来ることなど想定されてないのだと思い知った。

(言っておくが断られた際、わたしはまったくごねずに、あっさりと引き下がった。施設を見れば「大人だけの客」を入れるスペースがないのはすぐにわかった。でもわざわざここまで来て何もせずに帰るのはつらくて、ご意見箱に「せめて大人だけでは参加できないことを明記してほしい」とは投書したけど。)

EXPOやウルフェスでは大人でも当たり前のように握手したり写真撮影に参加できるから忘れかけていたけど、子どもでなく、パパでもママでもない人間はどこか肩身の狭い思いをしていたのだ。本当は自分なんか対象外で、相手にされなくたって不思議でもなんでもないのだ。

この一年くらい参加したイベントで、普通に受け入れられたのはどれだけありがたいことだったのだろうと思い知って、涙が止まらなくなった。それは心のどこかにずっと積もっていた、対象外の悲しみに気づいた涙でもあった。